第234回(2007年6月分)「年金のしくみの欠陥」
2013.12.05
当月は社会保険庁の年金記録が大量(5,000万件)に所属不明になって国会で大騒ぎしているので、年金のしくみについて触れたいと思います。
私ももうすぐ満60歳になって、年金の受給資格ができるのですが、60歳から支給されるのは、厚生年金の報酬比例部分です。64歳からは、老齢基礎年金に老齢厚生年金を上乗せした形で支給されるようになります。(昭和36年以降の人は、65歳から)
私達が払っている年金は、その時点で年金をもらっている人達が受け取ってくれています。私達がずっと払い続けたお金を国が管理して、その資金を運用して増やして(利子等)、それを私達に支給してくれるのではありません。
ここに大きな問題があります。働いている人が多くて、もらっている人が少ない時はいいですが、もらう人がどんどん増加(少子・高齢化社会)すると、働いている人に今までよりもっと沢山払ってもらうか、もらっている人に今までより少なく払うしか方法はありません。当たり前の話ですが、それが政治家や官僚が将来のわかりきった問題に目を向けずに無謀にもずっと払いすぎ続けた為に今日に至っています。
日本の年金のしくみに根本的な欠陥がある上に、更に年金記録の不備の問題が露見して、本当に不安に感じているのは、老人だけではありません。年金のしくみの根本問題と当面の事務処理問題の両方を早期に解決しないと国民の将来への不安は解消しませんし、日本国民のまじめに働くという貴重な国民性に傷がつくことを恐れる今日です。