第35回(1990年11月分)「天皇即位と過激派」

2013.03.04

11月7日の天皇陛下即位の礼の日、当社では簡単な創業記念式典につづいて、各部門運営方針の発表会を約半日かけてさせていただきました。

一方世間では、天皇制に反対する人達が爆弾やロケット弾をいろんな所にしかけて、警察の厳重な警備と張り合っている形です。12月1日~2日には、天皇皇后両陛下が奈良・橿原神宮に来られるそうですが、会社の周りでも機動隊員が2人連れで自転車でウロウロしておられます。仕事とはいえご苦労なことです。

私はいつも不思議に思うのですが、過激派の人達が暴力的行為をすればするほど一般の人達の過激派を嫌う気持ちを大きくするのではないかということです。自分達が天皇制に反対するのであれば、日本ほど言論の自由が保障されている国はないのですから、正々堂々と言論を通じて天皇制の不合理を主張すれば、「なるほど」と思う一般人も増えるかもしれません。ただただ無差別に誰かが「死ぬか」「ケガするか」わからない行為は、全く気違いのようです。過激派もせっぱつまってやっているのでしょうが、それにしても無駄なお金が警備のためにだけ使用されると思うともったいない気がします。
我々日本人は、公の場での意見の発表がじょうずではありませんが、自分の意見をはずかしがらずに言い、また他人の意見もしっかり聞くということが社会生活を円滑にする第一歩だと思います。
自分だけの殻(考え)にこりかたまらず、柔軟にいろんな考えを吸収しつつ成長するのが理想ではないでしょうか。

むずかしい話になりましたが、要は「口は一つ、耳はふたつ」ということで、みんなが二倍聞くつもりになればずいぶん違った社会になるのではないでしょうか。

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