第118回(1997年10月分)「紙と地球環境」
2013.06.26
今月は紙と地球環境というテーマで感想をと思いましたが、ちょっと大きすぎる話になりますので、まず身近な事から始めましょう。
紙の主原料は、パルプです。パルプは木材のチップ(木片)や古紙から作られます。紙は、単純に木からできると思っている方も多いのですが、木材が建築用資材、家具等の用途に製材される時にできる屑(クズ、廃材)が細かく砕かれチップとなるのです。紙の主原料であるチップは箸と同様に、むしろ木材資源の有効利用の模範例といえます。製紙メーカーは、木材の安定供給と緑の維持の為に世界中で広大な面積に植林事業を行っています。
ところが、近頃インドネシアで焼畑や換金作物栽培の為の農地開墾の為に密林が燃やされ、煙害が海を超えて他国にまで及んでいるニュースを聞いて、暗然たる思いになりました。
地球の緑の資源は、明らかに有限です。人間がうまく手伝えば、日々再生する緑の資源にもっと目を向ける必要があります。私達の生活がどんどん便利になると同時に、それ以上に地球環境を破壊している現実を理解しなければなりません。