第81回(1994年9月分)「関西空港いよいよ開港」

2013.05.07

9月4日に開港した関西新空港に関係した雑感をお話させていただきます。飛行機が交通輸送手段として、とても重要な位置を占めています。特に日本の場合、島国ですが、外国との人の往来は船ではなく、殆どが飛行機です。その飛行機の離着陸の為に、大きな空港が必要になるのは当然のことです。しかしながら、日本は大都市圏の近郊に空港を作るような土地がないし、たとえあったとしても騒音公害が起こるのは目に見えています。そこで、用地、公害の二つの問題を回避して、難工事で工費が莫大になっても、工期が長くかかっても24時間使用可能な騒音公害のない空港が海上に建設されたのです。

激しい国際競争の時代に空港自体も、他国の空港とその利便性を競っています。東アジアのハブ空港(各地へ空港路線があたかも自転車のスポークのように伸びているその中心となる空港)に、この「関空」がなれるかどうかは疑問ですが、一応形はできました。日本が今後も東アジアの中心として位置を保持できるかどうかは、この「関空」の今後の発展にかかっているといっても過言ではありません。

それにしても、「関空」の建設費1兆5千億円にはびっくりしますが、それでも日本国民一人当たり1万円ちょっとという計算になります。折しも、明石海峡には明石大橋が建設中です。大土木工事が日本各地で施工されているのを見て、今更ながらに日本の国力の大きさを実感します。そして不思議なことにこの「関空」は、第三セクター方式で建設され、国家のプロジェクト(税金を使ってやる仕事)ではないのです。

人、物の集合離散するところに、情報も集まります。日本に情報が集まらなければ、正に島国=孤独となります。日本のように国家の理念のはっきりしない国には、尚更交通と情報の基地を世界に提供できなくては、日本国家の存在価値が極端に低くなるのではないかと心配になります。

まぁ大きい話はこれくらいにして、空港は直接飛行機に乗った時だけ我々と関係があるというのではないことを理解していただきたいと思います。

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