第206回(2005年2月分)「創業者の偉大さ」
2013.10.29
25日朝の始業時の放送で話したS工業株式会社の創業者で、現在は相談役であったS様ご逝去の話です。S様は、私の父の姉婿に当たります。長い軍隊生活の後、ステンレス製のパイプの有用性に着目して、昭和29年にS工業という社名の会社を創立され、以来半世紀にわたりパイプ作りの事業一筋に生きてこられた方です。
当社との関係は、印刷物を注文して下さるお得意先様ということですが、約25年以上も昔、当社が大変な経営難に陥った時に、当時2,000万円という大金を無担保で貸してくれたり、お得意先を紹介して下さったりしました。十年くらい前までは、私が毎月月次の試算表を持参して経営概況を報告し、数年前までは、毎年決算書をお届けして見てもらっていました。私にとりましては、先代社長である父が急逝した後、会社の重大事を相談する親爺のような人でありました。
会長から相談役に引退される時には、「ころびつまろびつ35年」という社史を発刊されましたが、その時ずっと編集校正作業を一緒にやらせていただき、昔話をいろいろ聞いたことが、私にとってどれほど価値のあるものであったか、計り知れません。
いつの時代においても創業者やそれを支えた方々の苦労は、筆舌にも尽くしがたいものがあります。当社においても先代社長はじめ、諸先輩方の大変な努力の積み重ねのお陰で、今日のアイプリコムがあることも忘れるわけにはいきません。