第67回(1993年7月分)「会社は必ず倒産する?」

2013.04.15

総選挙も終わり政治の世界は混沌としており、経済面の景気の状況は上向いたとはいわれるもののボヤーっとしており、むしろ我々の業界や関連業界のおいても倒産が増加しています。印刷関連商社河本精文社、BF印刷機太陽鉄工、オフ輪印刷会社(4社)等。

私は、新入社員の人達が入社した時の話として「会社は必ず倒産する」というショッキングな言葉を投げかけます。入社した会社の社長が突然にそういう発言をするので新入社員の中にはびっくりする人もあるかと思います。そこで「世界の歴史を見て下さい」といいます。国でも興っては滅びているでしょう。どんな組織でも、たとえ国という大きな単位の組織であっても必ず滅ぶことを歴史が教えてくれています。会社も同じことです。むしろ会社なんかは、国よりももっと簡単に滅んでしまいます。

会社が倒産する原因はいろいろあるでしょうが、要は組織を維持、発展していくだけの利益が上げられなくなって、お金が回らなくなるということです。なぜ利益が上がらなくなったかについては、その会社が社会的に必要な役割を果たせなくなった結果です。

私達は、必ず倒産する会社を少なくとも自分達が会社で生きている間は、倒産するような状況に導いてはなりません。その為には、会社に与えられた社会的役割をしっかり果たして利益を上げて、少々の社会、経済変動に耐えられる会社の体制づくりが最も重要です。中でも一番大切な事が、一人一人の社員がその組織の構成員として、日々その役割を果たす事です。そして社員が成長している限り会社はその成長を約束されています。
そして、なお私達がありがたく思わなければならないことは、印刷業が受注産業であってお客様第一の考えを堅持して、それを忠実に実行してお客様からの信頼を得ている限りは、絶対に倒産することのないということです。

以上、倒産が身近にあって身近にないように、私は常に危機感をもって堅実に会社経営にあたりますので、社員の皆様はそれぞれの本分を全力を尽くして会社に注いで下さることを改めてお願い申し上げます。

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